春の海ひねもすのたりのたりかな

タイトルは与謝蕪村の有名な句です。

お察しの通り、店名はこちらから取りました。

 

「ひねもす」とは「一日中」という意味の古語ですが、この言葉自体を気に入ってというよりも

「一日中、のたりのたりと行ったり来たりする春の海だなあ。」

というこの句の持つ「気分」と、おいしいお酒を飲む「気分」がすごく近しいな、と

 

こうしてのんびりと日本酒を飲んでほしいなという気持ちで名づけました。

私が日本酒を飲み始めて、まだ10年も経っていないのだ、と気が付きました。

きれいに造られた大吟醸のお酒に感動し、お燗のお酒に衝撃を受け、お料理と合わせて広がるお酒の世界に魅了され、

10年間はあっという間だったように思います。

 

日本酒の世界もどんどんと技術が進んでいるようです。

そこまでの歴史や、色々な人の想いや思惑や、マスコミでのコマーシャライズや、飲むひとの趣向や、

色々が混然一体となっているような状況に、今なっているのかなと思います。

 

周りの色々にまどわされ、自分の言葉で考えるのを忘れてしまうと見失いがちですが

きっと今は日本酒が、新しい意味での「スタンダード」になってゆくその段階にあるのかなと。

そういうことを考えると、やれ冷酒だ、燗酒だ、流行りだ、伝統だ そんな二項対立に安心している場合ではないのかな、

10年後も変わらず、いやもっともっとおいしく、「日本酒」をお出ししているお店でありたいと

そんな風に思います。


そんなわけで、10月19日オープン(予定)で工事が進んでいます。

今日はキッチンの床を掃除しに行きました。大変でした笑

工事中はこんな看板を出しておこうと思います。

(字が汚いのはご愛嬌・・・と言いたい。)