またまた久しぶりの投稿になってしまいました。
なんだか今週はずっと肌寒いですね~。まだ桜が咲いていたら、この寒さでもう少し花をたのしめたのでしょうけれど。(花曇りというのもなかなか、趣がありますよね。)
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「花が無いのならば酒をたのしむしか!」というのは呑兵衛の都合の良い言い分でしょうか笑
しかし、春の少し気温の下がった時期に呑む燗酒というのはまた格別なものです。
凍てつく夜に熱々の燗酒が身体にうれしい冬のお酒とはまた違った喜びといいますか
ぬるめの温度で止めて、ふんわりと広がる香り。春のお酒は心に沁みわたるようです。
・・と、書くのは簡単なのですが「やわらかいぬる燗」って実はけっこうつけるのが難しい。
(あ、お燗は「つける」と言います。
お湯に「つける」の「つける」だと思うのですが、使っている私としては、「つける」という途中の動作でありながら「おいしい燗酒に仕上げる」といったような完成形も内在しているような言葉であるような実感があります。)
温度が低ければいいというわけではない、大事にじっくり時間をかけて燗をつければいいというわけでもない、イメージがなかなか形にならないなあ、、なんて試行錯誤していたのですが
最近ふと思い立ってつけてみた純米吟醸のお酒、てらわずに低い温度から味を見ていったところ、ふんわりときれいな吟醸の香りのする瞬間が!
ずっと苦手意識を持っていた吟醸香なのですが(何しろ燗をするのに相性がよくないのです)、その自然な香りはなんとも心地よくとてもおいしく感じました。冷やした状態ではその香りが隠れており、あたためてやっと出てくるというのも目から鱗でした。
ふわっとした香りは印象的ですが、味わいはすっとキレてきれい。
低い温度だからこそ実現する香りなので、もしかしたらこれこそ「やわらかいぬる燗」なのかもしれないなー。なんて思いました。
感覚ではなんとなくわかるけど実現するのは難しい、ということって、もしかしたら実現した形を知らないのかもしれない、と思った出来事でした。
特にお酒に関しては、自分の趣味をがちっと決めすぎない方が見える世界が広がるのかもしれません。
お店も五年目の春ですが、ここにきてまだまだ自分のお燗の幅を広げられるなんてほんとうにたのしいことです。改めて、お酒の懐の深さを思い知らされた気がしました。
時間があるので無駄に長い文章を書いてしまいました笑
ここまでお付き合い頂きありがとうございます笑
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寒いので、今日はあたたかいお料理のご紹介。
「春キャベツと新じゃがの干し肉スープ煮」
(写真は新じゃががたけのこになっております。)
塩漬けにした豚バラのブロックを、二・三週間じっくり乾燥させて作る自家製干し肉。
この凝縮した旨味を出汁に、春野菜の甘味を食べる一品!
みずみずしい春キャベツに、さっと素揚げした新じゃが。余計な言葉は不要でしょう、おいしいに決まっています笑
おいしいスープもすべて召し上がれ~
このお料理は、しっかりどっしり造られたお酒の熱燗がとても合います。
身もこころもぽかぽかに。
(おまかせ四品にも入れられますので、ご希望の方はオーダーの際に申しつけください)
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本日も16時~21時(19時半ラストイン)です。
(営業時間の変更の必要が出て来た場合は、またこちらでお知らせ致します。)
ご来店前は必ずお電話をお願い致します。
それでは、本日もよろしくお願い致します。
のたりのたり