<ひねもすは来月半ばまで休業中です。営業再開が決まりましたら、またこちらにてお知らせ致します。>
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相変わらず暑さは続きますが、日の沈むのが少しずつ早くなってきました。
今年はまったく夏らしいことをしていないのにもう秋の気配!
このままじりじりと暑さは残るのでしょうが、ちょっとずつ夕暮れが早くなって、月がきれいな季節にうつりかわってゆくのでしょうね~
さて、「毎日家で何をしているのですか?」という質問が来てしまったら答えに窮するほど何もしていない燗番です。笑
時間があって良かったことは、何よりも本をたくさん読めることとゆっくりお酒を呑めること・・
という元来のインドアな性質を最大限に発揮して、とりあえず日々を快適に過ごしております。
(よくよく考えれば、お休みならば、あそこに行きたい・あのお店でお酒を呑みたい・見たい展覧会があるなどなど、欲望は際限なく生まれるのですが、そこは考えないようにしています笑)
ゆっくりお酒が呑める!とは言えども、毎日毎日浴びるように呑んでいては身体がもちません。笑
「次の日が二日酔いで何もできなくなる」というのが嫌だなあということもあり、毎日の晩酌は「たくさんではない量をスローペースで」という感じになってきました。
そうなってくると、いつもの晩酌で呑んでいたビールやハイボールなどに手が伸びなくなりました。
そして、自然と晩酌の最初から日本酒をグラスに注いでいる自分を発見。
日本酒好きの中には「最初から最後までずーっと日本酒が良い!」という方ももちろんいらっしゃいますが、
燗番個人としては(そして、お客様を見ている限りかなり多くの方が)、「最初は日本酒以外の冷たいスタートドリンクでキリっとしたい!(シュワっとした系がいいかな)」という派です。
(一軒目から二軒目に移動、というシチュエーションでも、最初はまず日本酒以外の冷たいドリンクで仕切り直したいタイプ)
特に理由を考えるでもなく、自分のDNAに沁み込んだ性質なのだ(言い過ぎ)とずっと思っていましたが
これっておそらく、「スタートドリンクを求めている」というよりも、「スタートドリンクというシチュエーションを愉しんでいる」のでしょうね。
お酒を呑むという非日常(「今日も仕事お疲れ様でした~!」という自分への労いが前提となっている気がします)を盛り上げるアイテムとして、スタートドリンクを必要としていたのです!
(なんだか大それた話に・・笑)
お酒を呑むことが日常となった今、私の晩酌は非常に合理的になったということでしょうか。
お酒の中でいちばん好きな日本酒を、ぴったり合うお料理と共に、明日に残らぬ量で愉しむ。
買ってきたお刺身や冷奴と共に、毎日二合ちょっとくらいを呑む。
まさに理想的で健康的なのですが、なんだかちょっと淋しい、、
なんとこの文章を書いていて、この「淋しい」という気持ちに気が付きました!笑
だって、そう、スタートドリンクは実はけっこう無駄な存在。
「シュワっと」の欲望のためにビールやレモンサワーを頼んでみたものの、そのひと口を終えるとなんとなく持て余してしまう…(特に燗番は呑むペースが遅いのでこの傾向が顕著)
最初に食べたいお造りには日本酒が良いんだよね。(お通しの時点で日本酒が良いし・・)
なんていう会話、そういえばお客様と何度したか!
でも、「それならばスタートドリンクなんて頼まなければいいじゃん。」と、そういう問題でもないんですよね。
何故なら、この無駄な存在こそがお酒の時間を愉しもうとする象徴であるような気がするから。
そして、晩酌を「特別な時間として愉しもう」という気持ちは、やっぱりしっかり働いて疲れた身体が欲するものなのかなあ、と思ったからです。
「無駄は人生のたのしみ」という言葉が、こんなところで活きてくるとは・・・驚きです笑
最初に頼んだお造りとちょっとぬるくなった瓶ビールの組み合わせも、そういえば嫌いじゃないなあ、と思い出し
無駄なものは決して不要なものではないのだな、と思い至るのでした。
(あとやっぱり、働くことって大事です。)
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ほんとうは、「家で呑むのにひや酒(常温)が楽でいいなあ」ということを書こうとしていたのですが・・思わぬ結論に着地してしまい自分で驚いています。笑
写真は、先日家で店主に作ってもらった焼きおにぎりです。
おかかを混ぜて、醤油を塗ってじっくり焼いて・・カリッと焦げた部分がもう最高~
これを、日置桜の夏酒「青冴え」のひやでくいくい呑むのは至福でした。
というレポートだと、ただの自慢になっちゃいますね笑
今夜はスタートに、久しぶりにビールを呑もうかな。
ということで、また~
のたりのたり